ベルリンのeモビリティ 

2020年までに電気自動車の普及台数を百万台に上げることを目標に掲げているドイツ政府は、「Schaufenster Elektromobilität(eモビリティ ショーウィンドープログラム)」と名付けられた電気自動車普及推進プログラムにおいて国内の4つの地域の取り組みを「ショーウィンドー」に指定し、助成しています。

ショーウィンドーに選ばれた取り組みは、以下の4つ。

ベルリン・ブランデンブルク州のInternationales Schaufenster Elektromobilität

バーデンヴュルテンブルク州のLiving Lab e-BWe mobil

ニーダーザクセン州のUnsere Pferdestärken werden elektrisch 

バイエルン・ザクセン州のElektromobilität verbindet

このうち首都圏ベルリン・ブランデンブルク地域のInternationales Schaufenster Elektromobilitätはドイツ国内にとどまらず国際的モデルプロジェクトとなるべく、2013年よりおよそ8300万ユーロの融資を受け、約30のコアプロジェクトを中心に産官学連帯で進められています。2015年までに電気自動車普及台数4000台、2025年までに1600箇所に公共の充電ステーション設置を目標としていますが、この取り組みは電気自動車と充電インフラの拡大だけでなく、公共交通機関におけるeモビリティ推進からeモビリティに関する教育、eモビリティに適した都市インフラの整備、eモビリティに関する情報ネットワークの構築に至るまでの多角的統合的なスマートシティの実現が目的。Berlin Agency for Electromobility (eMO)が全体で約100のプロジェクトを結びつけるコーディネイトに当たっており、ベルリン・ブランデンブルク地域のeモビリティの情報窓口となっています。

映画館で流れるプロモーション動画。(eMOのHPより)

ベルリン市街では電気を動力とする乗り物をよく目にするようになって来ました。たとえば配達サービス用のeカーゴや企業の宣伝やイベント用のeTukTuk、レンタルeスクーター。2012年にはドイツで初めてのeカーシェアリングサービスも始まっています。

また、9月からはベルリン、ツォー駅から出ているバス路線204番のルートを電気バスが走行する予定。それに合わせ、全国初のコードレス充電ステーションが稼働します。路線上の二箇所の停留所、HerzalleeとSüdkreuzの地面に埋められた5X2mの充電プレートの上にバスが停まると、電磁誘導方式で自動的にバスが充電される仕組み。電動歯ブラシの充電の要領ですね。充電時間は4分〜7分。ちなみに充電器の上に人が立ったりしても、危険はないそう。(充電ステーションの図はこちらをご覧ください)この電気バスおよび充電ステーションの稼働により、二酸化炭素の放出を年間約260トン削減できる見通しです。

首都ベルリンのeモビリティ。今後の動きに注目しています。

ベルリンのeモビリティ研究開発拠点の一つ、EUREFキャンパスの充電ステーション
ベルリンのeモビリティ研究開発拠点の一つ、EUREFキャンパスの充電ステーション
ドイツ鉄道(ドイチェバーン)のレンタルeバイク
ドイツ鉄道(ドイチェバーン)のレンタルeバイク
レンタルeスクーター、eMio
レンタルeスクーター、eMio

参考:

http://www.emo-berlin.de/de/

http://berlindustrie.de/allgemein/e-bus-berlin-im-sommer-gehts-los/